こんにちは。札幌市手稲区のパーソナルトレーニングジム『アンカーフィット』の小林大祐です。
以前お客様から、『夜勤中に夜食を食べたら太りますか??』と言うご質問をいただきましたので、今回はそのことについてブログを投稿いたします。
結論
まずは結論から申し上げますと、
“夜食が原因で必ず太ると言うことはありません。太る原因はオーバーカロリーと夜食の習慣化”
です。
では詳しく解説して参ります。
夜食が太ると言われる理由
まずは夜勤中の夜食についてですが、私も10年以上24時間勤務をしておりましたので、夜中にお腹が空いて何かを食べたくなる気持ちがとてもわかります。
そのため夜勤中に夜食は食べない方が良いですとは全く思いません。
とは言え、ダイエットをしているのであれば、やはり夜食の食べ方には気をつけたいところです。
その理由を解説する上で参考になるデータがあります。
これは食事誘発性熱産生(DIT)と呼ばれる、食事に伴うエネルギー消費について調べたもので、
年齢がほぼ同じ女性(20.5±1.2歳)33名を対象に、毎食一律500kcalに設定し、食事時間を
①7:00 13:00 19:00
②13:00 19:00 1:00
の2グループに分け、DITについて試験しました。
その結果この調査では、深夜1:00に食事を摂った時がもっともエネルギー消費が低かったことがわかりました。
つまり夜食を食べると食後のエネルギー消費が低くなるため、その生活を5年10年と繰り返していけば、消費されないエネルギーがどんどんと体に貯蔵されていくことが推測されるわけです。
では一体どのくらいの量が体に貯蔵されていくのか・・と言うと、この研究対象となった女性の体重(52.4kg)から割り出された両グループのエネルギー消費の差は12kcalで、小さな飴玉一個くらいのエネルギー量でした。
思ったより少ないと感じたかもしれませんが、これは1ヶ月で換算すると360kcal、1年で4320kcal、10年で43200kcal、これは脂肪量6kg相当にもなるので、夜食が太ると言われるのも納得です。
夜食で太る直接の原因
まずは夜食が太ると言われる根拠について解説して参りました。
ただ安心していただきたいのは、実際の夜勤は毎日あるわけではないため、先ほどのような単純計算にはならないということです。
私の周りにいる看護士や介護士の方々でも一月あたりの夜勤は多くても7回程度、消防士でも一月あたり10回程度です。
そもそも夜勤中は頭と体を使って働いているため、消費するエネルギー量もそれなりにあると推測できます。
これらを踏まえると、夜勤中に夜食を食べたからと言って、必ずしも脂肪が蓄積される訳ではないと言うのが、実際に夜勤を経験してきた私個人の考えです。
現に、当直の日は毎回夜食を食べているはずなのに、長年体型を維持できてる方も珍しくはありません。
では夜食が原因で太ってしまった…という方には何が起こっているのか・・
これについて考えられるものを2つご紹介します。
①必要以上のカロリーを摂取している。
②夜食の習慣化。
まずは①についてですが、これは要するにオーバーカロリーの状態で、体が消費している量に対して摂取している量が上回っているということです。
まずは大前提に、夜中の食事はDITによるエネルギー消費があまり期待できないということでしたので、カロリーの摂り過ぎには日中以上に気をつかう必要があります。
例えば夜勤中は無性に甘いものを食べたくなる時があると思いますが、それは血糖値が下がっているサインの1つでもあるので、高カロリーなお菓子やスイーツに手を伸ばしたくなる前に、飴を一つ舐めておく、もしくは小さめのおにぎりなど炭水化物を摂り、あらかじめ血糖値を上げておくといった対策を取ることも効果的です。
次は②についてですが、個人的にはこれが1番厄介ではないかと考えております。
なぜなら夜勤中に夜食を食べる生活を繰り返していると、夜食が習慣化していくことがあるからです。
もしかしたら皆さんの中にも、たまにはいいかと夜食を食べていたら、いつの間にか夜中にお腹が空くようになっていて、気づいたら夜食を食べるのが当たり前になっていたという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして『何か食べなきゃ寝られない…』なんてことも。
正直なところ、私自身も経験済みです。
そして一度このような癖がついてしまうと、なかなかやめられないというのも夜食の厄介なところではあります。
そのため『夜食が原因で太ってしまった…』と感じている方は、夜食が習慣化して、休みの日にまで夜食を食べてしまっていないかどうか、今一度、普段の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
最後に
夜勤中の夜食は、夜通し仕事をするためのエネルギー補給として必要なものだと思います。
しかしながら、夜遅い時間に何かを食べた場合には、食事誘発性熱産生(DIT)の恩恵があまり受けられないため、食後のエネルギー消費が低くなってしまうという問題点もあります。
従って夜食の時こそ食べるもの、量には気をつけると言った基本に立ち返り、オーバーカロリーの状態を作らないことが大切です。
また、夜勤中は仕方がないにせよ、休みの日にまで夜食を食べる癖がついてしまっていないか、この点については十分に気をつけていただけますと幸いです。
最後まで目を通していただきありがとうございました。
《参考》
食事時刻の変化が若年女子の食事誘発性熱産生に及ぼす影響