札幌市のダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーニングジム アンカーフィットの小林大祐です。

本日は、トレーニングをされている方であれば一度は経験したことのある『筋肉痛』についてお伝えしていきます。

筋肉痛とは?

まずは皆さん『筋肉痛』と聞いて思い浮かべるのは、トレーニングをするしないに関わらず「久しぶりの運動後にでる痛み」「慣れない動きをした後にでる痛み」といった感じではないかと思います。

そんな筋肉痛ですが、正式名称は「遅発性筋痛(DOMS:delayed onset muscle soreness)」と言い、そのメカニズムについては、意外にもはっきりと解明されていないのが現状です。

ただ、ざっくり言うと「筋組織の損傷に対する炎症による痛み…」という事はわかっております。(1)

また一般的には、激しい運動を行なってから6~8時間で痛みがはっきり現れ、運動後およそ48時間でピークに達するとされております。

若い頃はその日のうちにきていた筋肉痛が、歳をとってからは2日後に痛みが…なんて言葉をよく聞きますが意外にも、2日後に痛みのピークが来るのは正常ということがわかりますね。

ちなみに、筋肉痛の発生には、今のところ男女差はないとされております。(2)

筋肉痛はトレーニングの頑張り度合いの指標となるか?

ではここから本題で、筋肉痛は頑張った証拠なのか?という部分について触れていきます。

実際、私がトレーニング指導をしている方々の中にも「前回のトレーニング後にしっかり筋肉痛がきました!!」と喜ばれる方や、「あんなに頑張ったのに筋肉痛になりませんでした…」と肩を落とされている方が結構おられます。

そのため、大半の方は、筋肉痛を頑張り度合いの指標にされているといった印象です。

結局のところどうなのか…。

結論「筋肉痛を頑張った証拠とするのはOK。が、しかし!!筋肉痛を追い求めるべきではない。」という、1番無難な答えが私の考えになります。

ですが、この答えに至ったのにはいくつか理由がありますので、そちらを説明していきます。

筋肉痛を頑張った証拠とするのはOK

まず「筋肉痛を頑張った証拠とするのはOK」という部分に関する理由はいくつかあるのですが、1番シンプルな理由として

・筋肉痛が発生するということは、筋肉の線維が損傷した事に起因する。
・筋肉の線維が損傷するということは、筋肉に対する負荷を与える運動をした。
・筋肉の線維が最も損傷するのは、エキセントリック運動(伸張性筋活動)である。
・※エキセントリック運動(伸張性筋活動)は、非常にキツい筋力トレーニングである。
※負荷によって筋肉が引き伸ばされる運動。

よって、筋肉痛が発生したということは「非常にキツい筋力トレーニングを頑張ったのであろう」という予測が立てられると言った、何ともシンプルな理由になります。(笑

ですが、勘の良い方であれば、この理由に対して少々疑問が生まれるか思いますので「筋肉痛を追い求めるべきではない。」とする理由と併せて説明していきます。

筋肉痛を追い求めるべきではない

冒頭でお伝えした内容ですが、そもそも筋肉痛は、筋力トレーニングをするしないに関わらず「久しぶりの運動後にでる痛み」「慣れない動きをした後に出る痛み」という、キツい筋力トレーニング後に限って起こる現象ではなく、マラソンやサイクリングといった有酸素運動の後にも見られる現象として報告されております。

また、高齢患者11人を対象に行った研究では「11週間のリハビリ(筋力トレーニング)を実施した結果、筋肉の損傷や炎症反応は見られなかったが、筋肉量が増加した」という結果も得られております。(4)

つまり、筋肉痛を追い求めて筋肉に損傷を与えなくても、筋肉は十分に成長するということがわかります。

また、実際の指導現場において、Aさんは長期間持続する筋肉痛を感じるのに対し、Bさんはほとんど筋肉痛が発生しない…というように、筋肉痛の発生には遺伝的要素の影響や、痛みの感じ方自体に個人差が存在するということが考えられます。

そのため、頑張った証を得るために、筋肉痛を追い求めるという行為は、無理をしてしまう原因でもあり怪我に繋がる恐れもあるため、「筋肉痛を頑張った証拠とするのはOK。が、しかし!!筋肉痛を追い求めるべきではない」という風に私自身は考えております。

最後に

さて、以上が今回のテーマに対する私自身の結論とその解説でしたがいかがでしたでしょうか?

全体を通して、筋肉痛に対し否定的な考えがメインだったかと思いますが、もちろん人によっては、筋肉痛がくる事によって「頑張った」と言う自己肯定感が増し、次のトレーニングに向けたモチベーションUPに繋がると言う方もおられますので、日常生活に支障が出るレベルの筋肉痛でなければ問題ないのでは…という風にも考えております。

もっとも、ダイエットをされている方であれば、如何にして日常生活での消費カロリーを上げるかと言うことも重要になってきますので、激しい筋肉痛によって2、3日動くのも辛い…という状況は、まさに本末転倒と言えるでしょう。

今回も非常にあっさりとした内容ではありましたが、是非みなさんには、今回の内容を参考に筋肉痛と上手に付き合って頂けることを期待しております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた。

参考文献

(1)Muscle damage from eccentric exercise: mechanism, mechanical signs, adaptation and clinical applications

(2)Sex differences in delayed onset muscle pain

(3) Does exercise-induced muscle damage play a role in skeletal muscle hypertrophy?

(4) Elderly patients and high force resistance exercise—a descriptive report: Can an anabolic, muscle growth response occur without muscle damage or inflammation?