札幌市のダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーニングジム アンカーフィットの小林大祐です。

今回はお客様から特に質問を受ける事の多い、ダイエット中に摂取すべき『タンパク質量』について、研究論文や現場経験を元にご紹介していきます。

お時間とご興味のある方は、最後までお読みいただけますと幸いです。

ダイエット中のタンパク質の摂取量 〜結論〜

では早速、今回のテーマについて、私自身の結論から申し上げたいと思いますが、1日あたり『体重×2.0g』こちらの摂取量を目安として頂く事を、私はお勧めしております。

では、なぜ『体重×2.0g』なのかここからは、その理由について解説していきます。

そもそも、タンパク質の『推奨摂取量』はというと、通常の生活をされている方、つまり、ダイエットやボディメイクの為に、積極的な筋力トレーニングをされていない方であれば1日あたり『体重×0.8g』摂ることで、身体にとって十分なタンパク質量が摂取でき、筋肉量を維持できるとされています。

皆様も一度は聞いた事があるかと思いますが、ダイエットをする上で重要なのは『脂肪を落とし』『筋肉は落とさない』という事がポイントになります。

では、ダイエット期間中、つまり、食べる量を抑えている状態の時に、タンパク質の摂取量が与える『脂肪』や『筋肉』への影響について

文献を解説しながらご紹介していきます。

’39名の成人’を対象に行われたこちらの研究では、まずは1ヶ月間を

①エネルギー充足期(9~10日目)【体重維持】
※通常の食事量
②エネルギー不足期(20~21日目)【減量】
※少ない食事量

の2期間に分けて実施した。

更に、タンパク質を1日当たり

A『体重×0.8g』→推奨量
B『体重×1.6g』→推奨量×2
C『体重×2.4g』→推奨量×3

摂取するグループの3つに分け、それぞれの『体重』『脂肪量』『筋肉量』に与える影響を比較した。

その結果、まず体重に関してはA~B全ての被験者において”3.2±2kg”の減少が見られた。

そして、B,Cのグループでは、Aグループよりも”筋肉量低下による体重減少”の割合が低く、”脂肪量低下による体重減少”の割合が高い、という結果が見られた。

つまり、B『体重×1.6g』及びC『体重×2.4g』のグループは、A『体重×0.8g』のグループよりも『筋肉を落とさずにダイエットができた』と言う事になります。

続いて、②エネルギー不足期(20~21日目)【減量】の筋肉に対する同化反応、つまり、筋肉のつきやすさを、①エネルギー充足期(9~10日目)【体重維持】と比べた結果、Aは①に比べ低かったが、B,Cでは①に比べて差はなかった、という結果でした。

言い換えますと、ダイエット中のようにエネルギー不足(食べる量を減らした)状態では、タンパク質を『体重×0.8g』摂った場合には”筋肉がつかない”が、タンパク質を『体重×1.6~2.4g』摂れていれば、”どちらも同じく筋肉を維持できる”という事になります。

以上の点を踏まえ、ダイエット中には『体重×1.6~2.4g』のタンパク質摂取を目安とするのが望ましいと考えております。

しかし、世に販売されている食品の栄養成分表示には、なんと、±20%の誤差が許されている…という事実があり、表示されている量と、実際に食べている量には多かれ少なかれ開きがあると考えられます。

それら全ての点を踏まえた上で、タンパク質を1日あたり『体重×2.0g』を摂ることをお勧めしております。

また、計算が容易であるという点も、お勧めのポイントでもありますね。

ただ、タンパク質の消化吸収能力には個人差があり、人によってはタンパク質の摂りすぎにより便秘など身体の不調を訴える方も多数おられます。

これには腸内環境の影響や、タンパク質摂取量が増えた事により、相対的に食物繊維の摂取量が低下するなど様々な要因は考えられます。

その為、”タンパク質を1日あたり『体重×2.0g』摂取する”と言うのはあくまで目安であり、必ず摂らなければいけないものではありません。

実際に試す時は、『体重・脂肪量・筋肉量』の数値にとらわれすぎず、ご自身の体調に合わせて摂取量を調整していただくのがベストではないかと考えております。

さて、今回の内容は以上になりますがいかがでしたでしょうか?

少々読みづらい部分もあったかと思いますが、今回の記事が皆様のダイエット成功の手助けになる事を期待しております。

最後まで目を通していただきありがとうございました。

それではまた。

 

参考文献

・Effects of high-protein diets on fat-free mass and muscle protein synthesis following weight loss: a randomized controlled trial.

・栄養成分等の分析方法等及び「誤差の許容範囲」の考え方について