皆様こんにちは!札幌市のダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーニングジム、アンカーフィットの小林です。
今回は血圧に関する記事になります。
知らないと危険な内容なので、今現在トレーニングをされている方も、トレーニング指導に携わっておられる方も是非頭に入れておいていただければ幸いです。
ではさっそく
血圧の変化を知る
まず初めにこちらの画像をお見せします。
これは私のスクワット実施前後の血圧になります。(左が実施前:右が実施後)
ご覧の通り、収縮期血圧、いわゆる上と呼ばれる方が33上昇しているのがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに今回実施したスクワットでは自体重と同じ70kgを8回、私にとっては中程度の負荷になります。
それでも、33上昇していると言う点を踏まえて、更に解説していきます。
血圧とは・・・
ではここで一旦、『血圧』と言うものについて説明をいたします。
血圧とは「心臓から流れ出た血液が血管を押し拡げる圧力」のことを言います。
そして、収縮期血圧(上)は心臓が縮まり血液が送り出された時の圧力、拡張期血圧(下)は心臓が膨らんでいる時の圧力を意味し、上下の幅からは血管自体の弾力性も読み取れます。上下の幅が少なければ、血管自体が硬くなり伸び縮みする能力が低下している可能性が増します。
診察室血圧の基準では、収縮期血圧(上)が140mmHG以上、かつ/または拡張期血圧(下)が90mmHG以上だと高血圧に該当しますので、測定値結果が「115/95」だった場合も高血圧になります。
※ジムも病院同様に自宅とは違う緊張感で血管が収縮しやすい可能性があるため、診察室血圧の基準で説明します。
この場合、上下の差が少なく伸び縮みする弾力性も乏しくなっていることが考えられるため、高血圧の他に動脈硬化の心配も出てきます。
高血圧の重症度
また、高血圧の中でも重症度が分かれており、
I度高血圧【上:140〜159/下:90〜99】
II度高血圧【上:160〜179/下:100〜109】
III度高血圧【上:180以上/下:109以上】
もちろん高くなればなるほどに、心筋梗塞や心不全、脳梗塞や脳出血、大動脈瘤破裂、といった致死性の高い病を発症しやすくなります。
実際に私は救急現場で目の当たりにしてきましたが、発症してしまうと本当に危険です。大袈裟ではなく1分1秒が生死を分けるほど本当に危険です。最悪の場合も考えられます。
イメージしづらい方は、水を通したホースの先をつまんだ時を思い浮かべてみてください。当然圧力が増しパンパンになります。これが高血圧の状態です。
もしもこのホースが老朽化していたら…
もしも蛇口を開き、更に水を送り出したら…
もしも傷の入ったホースだったら…
もしも流れている水が異物を含む泥水だったら…
ホースに弾力があり伸び縮みするなら良いですが、だいたいの場合、「水漏れ」「詰まり」最悪の場合「破裂」するのは想像に容易いかと思います。
人間の血管も同じです。
そもそも高血圧になられる方は、血管が硬くなっていたり、水分不足や脂っこいものを食べすぎて血液がドロドロの状態になっていることが考えられます。
そしてジムに通う動機として「高血圧と診断されたから運動を始めようと思って…」と言う方も多いはずです。
ですがこれならまだマシで、一番危険なのは隠れ高血圧の方で、本人が自覚していないが実は高血圧という方の場合です。
200mmHGを超えるような重度の高血圧であれば頭痛や目眩といった自覚症状を訴える方も多いですが、180mmHG程度でも自覚していない方もいます。
これまで何度か経験がありますが、スクワットを教えてくださいとお願いされたお客様に「念の為、血圧を計らせてください」と計測したところ、上が180を超えていたということもありました。
本人は「わぁ、結構高いね!(笑)」と笑っておりましたが、私は苦笑いでした。
ちなみに、普段から血圧の薬を飲んで数値を抑えている方も、数値を無理矢理下げているだけであって、血管自体が正常かと言われれば必ずしもそうではないので注意が必要です。
血圧変化による危険
そしてここで改めて、私のスクワット前後の血圧を見ていただきたいのですが、中程度の負荷であっても収縮期血圧(上)が平常時より33上昇しました。
恐らくスクワットのボトムポジション(1番深くしゃがんだ位置)では更に上昇しているはずです。
もうお気づきかと思いますが、ただでさえ血管が弱くなっている高血圧の方が何も知らずに高強度のスクワットを実施したら(させられたら…)、あっという間に200を超えていき、危険すぎるほどの圧力が血管にのしかかります。
もちろんスクワットに限らず、ウエイトトレーニング全般に言えることですから、強度の高いベンチプレスやデッドリフトといった種目を行う際も注意が必要です。
まとめ(トレーニング前には血圧測定を・・・)
健康のために通い始めたジムで、トレーニングが原因で万が一のことが起きたらと思うと…ゾッとするのは私だけではないはずです。
その為、多少面倒であってもトレーニング開始前には血圧測定をオススメします。(特にウエイトトレーニング)
1分もかからない血圧測定を怠ったばっかりに、1分1秒を争う事態に陥らないよう安全にトレーニングを実施していただければ嬉しく思います。
脅しでもなんでもなく、実際に目の当たりにしてきた経験として、今回の記事が誰かのお役に立つことを期待しております。
最後まで目を通していただきありがとうございました。
それではまた!
《参考》
厚生労働省(e–ヘルスnet 健康増進総合支援システム)
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン2019